ページ番号1041532 更新日 令和5年4月7日
令和5年3月26日(日曜日)、森の図書館で「講演会 利根運河ビリケンさんの修復」が行われました。これは、2代目利根運河ビリケンさんが令和3年3月に利根運河河畔に納められて2周年を記念した、流山市内4カ所にあるビリケンさんをめぐるスタンプラリーに合わせ開催したものです。利根運河交流館・流山市立博物館・流山市立森の図書館・流山おおたかの森駅前観光情報センターの共催で行いました。
[画像]令和5年3月26日、森の図書館で「講演会 利根運河ビリケンさんの修復」が行われました。(36.5KB)講師の松井佐織さん(東深井在住)は、合同会社文化遺産Lab.代表社員。山形県米沢市出身。文系で、歴史を学ぶために大学に入学後、文化財の修復や保存のための「保存科学」に出会います。科学的な手法で文化財にアプローチすることに魅力を感じ、高校化学を学び直しながら、発掘、出土品の保存処理、材質の機器分析などを学び、大学院を修了しました。
[画像]令和5年3月26日、森の図書館で「講演会 利根運河ビリケンさんの修復」が行われました。(48.1KB)
その後、地元や東京国立博物館で学芸担当として収蔵・展示環境の管理、展示、教育普及などを担当したあと流山市で起業し、現在流山市文化財保存活用地域計画策定協議会委員、流山市文化協会伝統芸術部部長他を務めていらっしゃいます。
[画像]令和5年3月26日、森の図書館で「講演会 利根運河ビリケンさんの修復」が行われました。(44.9KB)
利根運河ビリケンさんは、福の神として、大正2年に利根運河会社支配人・森田観光果樹園の森田繁男さんによって建立され、地域に親しまれ利根運河を見守ってきました。平成28年11月、建立者・森田繁男さんの曾孫である森田昌良さんにより、流山市に寄贈されました。長年風雨にさらされていたビリケンさんに平成30年3月、流山市観光協会により祠が建立されました。
[画像]令和5年3月26日、森の図書館で「講演会 利根運河ビリケンさんの修復」が行われました。(50.8KB) しかし、約1週間後の4月2日、何者かによって台座から倒され、顔などが破損しているのが発見されました。
修復に携わった松井さんは、修復にあたり、「なに」を残すか、「どこ」に展示するか、破片の接着や強化、足を触ってほしいという想いの実現について所有者と相談し、修復方法や工程を入念に検討されました。
[画像]令和5年3月26日、森の図書館で「講演会 利根運河ビリケンさんの修復」が行われました。(40.4KB)
松井さんは、「今回の修復にあたり、流山市立博物館にビリケンさんの3D撮影画像が保存してあり、また写真が残っていたため、この重要な記録が修復に役立ちました。また、光背と台座が欠けて、大小30個の破片をどこに着けるか、寝ても覚めても破片破片でしたが、ピッタリくっついた時には嬉しかった。倒される前のビリケンさんの光背は建立当時よりだいぶ小さくなっていました。それは地域の人たちが福の一部を持って帰りたいとの思いや、ビリケンさんを愛する気持ちの表れかもしれません」と話されました。
参加者からは、「修復の過程で一番気を使ったことや、一番時間がかかったものはどういう作業ですか」「修復にはどれくらいの期間が掛かりましたか」「クリーニングしたことによりビリケンさんの指の形やふくらみが見える様になった。修復のことが伝わる講演会でした」など熱心な質問や感想が聞かれました。
[画像]令和5年3月26日、森の図書館で「講演会 利根運河ビリケンさんの修復」が行われました。(54.5KB) 講演会の後、参加者は修復に使う器材や参考になる本を手に取ってご覧になっていました。講師の松井さんは、「文化財を保存する仕事には、まもる、治す、伝えるの3つの柱があります。今回の話しを通して、参加の皆さんの考えや想いを伺うこともできてよかったです。今後、地域の文化財をみんなでまもることにつなげていければと思います」と締めくくりました。
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