ページ番号1040181 更新日 令和5年2月15日
令和5年1月15日(日曜日)、鰭ケ崎の雷神社で「鰭ヶ崎おびしゃ行事」が開催されました。今年は3年ぶりに新旧の当番がそろい、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で実施しました。
この行事は、五穀豊穣(ごこくほうじょう)、家内安全、無病息災を祈願するもので、千葉県北部と茨城県南部、埼玉県東部に多く見られる正月の伝統行事です。現在でも市内各所で行われており、中でも鰭ケ崎のおびしゃは、祝詞(のりと)奏上、玉串奉奠(たまぐしほうでん)、トウ渡し、歩射(ぶしゃ)、送り込み、直会(なおらい)などの一連の儀式が江戸時代中期の享保年間から受け継がれており、昭和52年より市の無形民俗文化財に指定されています。かつては1月20日に行われてきましたが、令和2年から1月の第3日曜日に行われています。
拝殿で諏訪神社の宮司による祝詞奏上や玉串奉奠のあと、社務所で新旧7人の当番が引き継ぎを行う「トウ渡し」の儀式が行われました。この儀式では色鮮やかな衣装をまとった七福神姿の旧当番と裃(かみしも)姿の新当番が向かい合い、お神酒(みき)を酌み交わしますが、今年はお神酒を飲むことはせず、形式的な酌み交わしを行いました。
[画像]写真:鶴亀(31.5KB)社務所には、大根とねぎで作られた鶴と聖護院大根を使って作られた亀が飾られていました。鶴亀の飾りも行事に欠かせないものですが、年々、農業を営む家が減る中で、野菜で鶴亀を作る技術の継承も難しくなっています。
[画像]写真:歩射(47.5KB)この行事の最大の見どころは「歩射」です。新旧の当番が並んで鳥居側に据えられた赤鬼と青鬼の的に向かって拝殿から紅白の弓矢を放ちました。今年は、1人が青鬼の的を見事射抜き、行事も盛り上がりました。かつては、鬼の的は当番の手描きで作られており、毎年変わる鬼の表情がなかなか味わい深かったといいます。
[画像]写真:旧当番(47.4KB)本来は、歩射の後に送り込みと直会、赤城保存会によるお囃子と神楽の奉納が行われますが、今年も中止になりました。歩射のあとは旧当番から新当番への衣装の受渡しが行われ、行事は終了しました。今後、新しい当番は年4回行われる「おこもり」など1年間のお務めを行います。
[画像]写真:新当番(38.5KB)江戸時代から続く伝統行事は、新型コロナウイルス感染症の流行の中で少しずつ形を変えながら、地域の皆さんによって守り続けられています。
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