ページ番号1039366 更新日 令和4年11月30日
令和4年10月22日(土曜日)、生涯学習センター(流山エルズ)で「ジェンダーの視点から見た日本史〜日本史は女性をどう描いたか〜」(主催:流山市企画政策課男女共同参画室、企画運営:NPО法人パートナーシップながれやま)が開催されました。
国立歴史民俗博物館名誉教授の横山百合子さんを講師に迎え、古代から現代まで、1800年の歴史を通じて、政治や暮らしに女性がどう携わってきたのかを学びました。横山さんは令和2年に国立歴史民俗博物館で開催された「性差(ジェンダー)の日本史」の展示プロジェクト代表であり、その当時の展示写真なども交えながら講座が進められました。
[画像]埴輪の写真(29.4KB)
古代では、古墳時代前期、古墳被葬者の3割以上が女性だったことが、近年の研究で分かったそうです。向野田古墳に埋葬された人骨や荒田目遺蹟の木簡からは、地方にも女性実力者が複数存在し、女性リーダーが地域をまとめている姿が浮かび上がりました。
中世では、鳥獣戯画で有名な京都の高山寺に、鳥羽天皇の皇女である八条院が寄進した、源義経や平宗盛の書状が貼られている文書屏風が残されており、八条院が武家の実力者と直接交渉していたことがうかがえる内容が書かれていたと話がありました。
近世では、大奥に、女性だけでなく多くの男性がいたこと、明治維新では、皇室典範の改定やその後の女性参政権運動について、日本で初めて参政権を得た女性である楠瀬喜多さんや、市川房枝さん、平塚らいてうさんの活動についての説明がありました。
戦後の話では、労働省婦人少年局発行の「男女同一労働同一賃金になれば」というポスターについて、現代も通じるテーマだと横山さんが話すと、参加した方の多くがうなずいていました。その後、当時の労働省婦人少年局発行である紙芝居「おときさんと組合」が披露されました。
女性が政治指導者であった古代、男性優位の社会だが政治からの女性排除が貫徹していない中世・近世、そして多様な秩序をジェンダーで一元化した近・現代について、女性の参画という視点から歴史を俯瞰して学ぶ時間となりました。
戦後の今、男性優位の制度を廃止し、法律は変わったはずですが、今するべきことは何かと横山さんは問いかけ、講座は終了しました。
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