ページ番号1032741 更新日 令和3年11月9日
令和3年10月24日(日曜日)、生涯学習センター(流山エルズ)で、「おもしろ古典文学講座 王朝女流文学を語る 源氏物語の女性たち」(主催:企画政策課男女共同参画室、企画運営:NPO法人パートナーシップながれやま)が開催されました。講師には、古典文学研究W・Sの会の主宰・堀井幸子さんを迎えました。堀井さんは関西を中心に複数の古典研究の会で講師を務め、全国各地で源氏物語などの古典解説の講演を行っています。
講演では、源氏物語に描かれた王朝文化の世界を、国宝に指定されている実際の絵巻の写真や衣服の染色の写真などを見ながら、分かりやすく解説していただきました。
源氏物語の作者の紫式部は、当時として遅い27歳の結婚のあと、3年で夫と死別したことの深い悲しみから、源氏物語を執筆したそうです。源氏物語は、主人公の光源氏を取り巻く女たちの愛と救済の物語。全五十四帖からなる世界に誇る日本女流文学の原点と言える作品です。
源氏物語は、印象派のモネを想起させるような光あふれる色彩豊かな表現で描かれています。講座では、講師が持参した実際の源氏物語絵巻の復元前と復元後の資料を見ながら、美しい彩に満ちた情景とその色彩の意味する物語の背景を考察しました。
紫式部は源氏物語を通して何を伝えたかったのでしょうか。平安時代の上流階級の女性たちは庇護者によってのみ生かされていました。自分の人生を設計し、決定することができなかった女性たちにとっては、出家することが活路でした。講師は、源氏物語には、女性の悲しみや切なさが詰まっていると話されました。
講師の軽快な関西弁や楽しい語り口調もあり、終始笑い声が起こり、和やかな雰囲気のうちに講座が終わりました。
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