ページ番号1017268 更新日 平成30年1月16日
寒空の中、裸の男衆が餅を奪い合い餅の割れ具合により、その年の農作物の作柄を占う「ヂンガラ餅行事」。雷神社の「鰭ケ崎おびしゃ行事」、赤城神社の「大しめ縄行事」と並ぶ、市指定無形民俗文化財のヂンガラ餅行事が平成30年1月14日(日曜日)に、三輪茂侶神社で行われました。古くから伝わるこの行事は、ヂンガラ餅保存会(堀江啓亮会長)により運営され、この奇祭を一目見ようとする約400人の見物客で参道は埋め尽くされました。
[画像]荘厳な儀式の写真(77.1KB) この行事は縁起がいい末広がりの「八づくし」で、8升の御神酒と8升の鏡餅(上3升、下5升の円い重ね餅)、野菜や果物、海産物など8種類の供物が神殿に供えられ、また、8種類の具材を入れたけんちん汁が用意されます。また開催日も、以前は毎年1月の「8日」に行われていました。
社殿には同神社の氏子や来賓などが集まり、大太鼓を合図に式典が開式。諏訪神社の上田権禰宜により修祓の儀、献餞の儀、祝詞奏上、玉串奉天などが、習わしにのっとり厳粛に執り行われました。その後、次の年の当番へ引き継ぐ「当渡し」が行われ、スルメをつまみに杯が交わされましたが、現在は保存会により行事は行われているため、形式上の実施となっています。
「餅取り」を行うため、社殿の畳を上げ、窓ガラスを取り外し、準備が整うと、大太鼓の音が鳴り響き、社務所に控えていた男衆が法被を身にまとい登場。参道には、見物客が花道をつくり、紙吹雪が舞う中をゆっくりと男衆が社殿に向かいます。
[画像]外に飛び出し餅を奪い合う男衆の写真(79.6KB)社殿に上がると、いよいよ餅取りが始まります。上半身さらし一枚になった男衆のなかに、鏡餅の下の部分、5升の餅が投げ入れられると「わっせ、わっせ!餅を上げろ!餅を上げろ!」と餅を求めて両腕を延ばしながら、男衆は9メートル×6メートル程度の社殿のなかを四方八方に激しく移動。激しい掛け声とともに、汗が周囲に飛び散り、激しい揉み合いが続きます。ときには社殿の外にまでも飛び出す白熱ぶりに、見物の皆さんは大いに沸きました。
[画像]真っ二つに割れた餅を手にする上田権禰宜の写真(75.5KB)30分ほどの激しい揉み合いの末、男衆が柱に餅を打ちつけ直径40センチほどの餅は真っ二つに。「お〜っ!」という歓声とともに大きな拍手が鳴り響きました。割れた餅を手にした上田権禰宜が「今年も豊作でございます」と宣言すると、さらに大きな拍手が起こりました。餅取りに使われた餅は、食べると風邪をひかなくなると言い伝えられ男衆に配られます。
[画像]約400人の方が見物をし、振舞われる紅白餅をもらっている写真(83.2KB) ご家族4人でお越しになった戸部勇太さん(36歳)は、長く市内にお住まいですが、今回初めてご覧になったとのことで、「小学3年生の子どもの社会科の授業に役立てばと思い見に来ましたが、熱気がすごく驚くとともに感動もしました。迫力があり、見ていた私も元気をもらいました」と話してくださいました。最前列で見ていた戸部さんのお子さんたちも「すごかった。あんなに大きい餅は初めて見た」と、興奮した様子で話してくれました。
行事後には、来場者の方にみかんと紅白餅が振る舞われました。なお、行事の様子は朝日新聞、産経新聞、千葉日報、J:COM、千葉テレビに取材されました。
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