ページ番号1017121 更新日 平成29年12月19日
平成29年11月22日(水曜日)、ゆうゆう大学第3回合同講演会が文化会館で開催されました。公民館が運営しているゆうゆう大学では、年3回の合同公開講演会を開催しており、今年度は3回目となります。今回のタイトルは、「「銀河鉄道の夜」から地図と測量を知る」。国土地理院で長く地図作成に携わってきた山岡光治さんを招いてお話を伺いました。
私たちは地図にはなじみがありますが、それを作るための測量については知らないことがほとんどです。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の話に出てくる「燐光の三角標」という語句が、実際に測量で使われているいくつかの器具ではないかという仮定で話が進んでいきました。
かつて、測量は測量士が実際に土地を訪れ、測量旗や測標を立て、経緯儀という機械をのぞいて観測していたそうです。その測量旗や測標が並んでいる様子を空から下を見下ろすと、「銀河鉄道の夜」の中の「野原にはあっちにもこっちにも、燐光の三角標が、うつくしく立っていたのです(六 銀河ステーションより)」という場面になり、星座のようにつなげていくとサソリなどの形に見えるのです。
途中にはさんだ休憩中には、山岡さん自身が作成した地図原図やさまざまな種類の地図を舞台前に並べ、質問などに答えてくださいました。後半では、現在、どのように地図を作っているのかを話してくださいました。
最後に、「かつて日本の地図には秘密があり、記載されなかったところがあったが、現在は基地の中や原子力発電所の建物の場所までも一般の人が知ることができる。地図に秘密のないことから平和を感じることができる」と話してくださいました。
内容は専門的なものが多かったのですが、講演終了後には多くの質問に丁寧に答えてくださいました。日本では手軽に地図を手に入れることができますが、それが星の数ほどの測量によってできあがっていることを感じた講演会でした。
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