終戦70年創作劇を高校生が公演
更新日 平成27年8月13日


流山おおたかの森高校演劇部が「語り継ぐべき詩」公演

[画像]当時の衣服に身を包み、劇を演じる高校生の写真(77.0KB)

 平成27年8月11日(火曜)、流山市生涯学習センターで流山おおたかの森高校演劇部の皆さんによる「語り継ぐべき詩」が公演され、会場には、高校生から年配の方まで幅広い年代の方々が詰め掛けました。学童疎開、軍事教練、赤紙、東京大空襲・・・。人々の日常を奪った戦争の悲惨さを伝える劇「語り継ぐべき詩(うた)」。「こころの中の“戦場”はいつでも遠い海の向こうにあった」「地上、そこは“戦場”ではなかった」「この、すさまじい焼夷弾攻撃にさらされているこの瞬間も」「おそらく、ここが」「これが“戦場”だと思っていなかった」・・・高校生の独白や群読が静かな会場に響きます。


[画像]群読の様子の写真(71.2KB)

 「語り継ぐべき詩」は、昭和43年に雑誌「暮らしの手帖」で特集され、翌年に単行本として出版された戦争体験者の手記「戦争中の暮らしの記録」を題材にした劇。平成20年、当時の同校演劇部顧問の石山清貴教諭(現・野田中央高校)が創作した作品で、今回は現・同校演劇部顧問の中村槙一郎教諭が脚色、演出しました。台本を読んだ部員の皆さんは「高校生に演じられるのか」と不安もあったそうですが、戦時中の資料を集め、当時の子どもの気持ちなどを理解しようと努力を重ねてきました。


[画像]ランニングシャツ姿で窯を覗く少年たちの写真(37.9KB)

 物語は、現代の高校生・大島真子が古びた段ボールの中から「戦争中の暮らしの記録」という本を見つける場面から始まります。そこには、戦地に送る干し芋作り、学童疎開、つらい訓練、東京大空襲が記されてありました。真子は、戦争の惨状を目の当たりにしてどう感じたのでしょうか。本の中に記された、70年前に祖母が体験した戦争を再現。戦争を繰り返さないために、語り継いでいくことの大切さを訴えます。


[画像]もんぺ姿の少女を演じる高校生の写真(59.9KB)

 今回の公演では、主人公の大島真子役と青山静香役に植頭萌子さん、大島和江役と大川美由紀役、園子役に国府田楓さん、大島拓哉役に中島崇仁さん、香山君江役に佐藤礼菜さん、香山悦子役に石橋和希さん、香山重造役と教官役に加藤貴人さん、明子役に圍詩織さん、時子役に津田絵理花さん、ヒサ子役に山下彗さん、赤城清歩役と校長役に海老原征歩さん、飯田衛役に大澤凌翔さんというキャストで演じました。


[画像]顔を寄せ合い、何かを相談しているシーンの写真(73.5KB)

 スタッフは、舞台監督が石渡大智さんと石橋和希さん、音響が篠崎彩花さんと沖浩太さん、山下彗さん、照明が門谷圭恵さんと影澤夏海さん、圍詩織さん、大道具・小道具・衣装が佐久間愛弓さんと神宿亜裕美さん、宣伝が川内あかりさん、映像が北原成貴さんという高校生の若い力を結集。顧問の中村先生をはじめ宇野先生、関先生、浦瀧先生ら教員の方々も部員の皆さんを支えてきました。


[画像]兵隊の足元にすがりつく少女の写真(73.9KB)

 1年生4人、2年生13人、3年生2人の19人の部員たちは、空調もない同校柔道場で、もんぺや国民服の衣装を着て、学期末テストの最終日から土日や夏休みも返上して練習に打ち込んできました。「もっと思い切り」「せりふに時代の空気感を出して」と顧問の中村先生の鋭い指導に、汗をぬぐいながらうなずく高校生。空襲シーンは部員全員の矢継ぎ早のせりふの応酬で緊張感と惨状を表現しました。そこには、実際に経験したことのない戦時中の生活や戦争を捉え表現しようとする必死な高校生の姿がありました。


[画像]書き物をしている少女の写真(43.6KB)

 そうした稽古に汗を流した成果を発表したこの日の舞台に、客席から惜しみない拍手が贈られていました。この様子は、8月12日(水曜)J:COMの人気番組「デイリーニュース」で放送されました。流山おおたかの森高校演劇は、昨夏には、野田中央高校演劇部と一緒に流山の「白みりん200周年記念演劇」(青木健生作品)を流山・野田両市の会場で公演するなど地域に根差した活発な部活動を続けています。


[画像]朗読の様子の写真(36.2KB)

 流山おおたかの森高校演劇部の皆さんは、9月25日(金曜)に同校柔道場で文化祭公演を、11月5日(木曜)には西初石中学校30周年記念公演を開催。さらに11月10日(火曜)・11日(水曜)には流山市文化会館で千葉県第一地区秋大会に、平成28年1月17日(日曜)には同会館で高校演劇20分シアターに参加します。また、平成28年4月には流山市生涯学習センターで自主公演も計画したいと張り切っています。今回の「語り継ぐべき詩」公演は、流山市生涯学習センターで8月17日(月曜)まで開催中の「東京大空襲と学童疎開展」の一環として企画されたものです。



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